PFAS 子どもへの影響は?|親が知っておきたいこと
「子どもの水道水、飲ませても大丈夫?」
「学校や保育園の水は安全?」
「PFASが子どもの体に与える影響が心配」
こうした不安を持つ保護者の方に向けて、PFASが子どもへ与える影響について現在分かっていることを正確・わかりやすくお伝えします。
結論:現在の水道水は基準値以下で管理されています
まず最も大切なことをお伝えします。
現在の日本の水道水は国が定めた基準値(PFOS・PFOAの合算で50 ng/L以下)に管理されており、通常の使用において直ちに健康被害が生じるレベルではありません。
ただし子どもは大人より体が小さく発達途上であるため、PFASの影響を受けやすい可能性が研究で示されています。
正確な情報をもとに、過度に恐れず・しかし軽視もせず対応することが大切です。
なぜ子どもは特に注意が必要なのか
子どもがPFASの影響を受けやすいとされる主な理由は以下の通りです。
体重あたりの摂取量が多い
体が小さい子どもは、同じ濃度の水を飲んでも体重あたりのPFAS摂取量が大人より多くなります。
免疫・神経系が発達途上
子どもの免疫システムや神経系はまだ発達段階にあり、化学物質の影響を受けやすいとされています。
長期間の暴露リスク
子どもは今後の人生が長く、PFASに暴露される期間が大人より長くなります。
子どもへの主な影響 研究で分かっていること
① 免疫機能への影響
最も多く研究されているのが免疫機能への影響です。
複数の研究で、PFASへの暴露が高い子どもほどワクチンの効果(抗体の産生)が低下する可能性が示されています。
デンマークで行われた研究では、PFASへの暴露と破傷風・ジフテリアワクチンの効果低下との関連が報告されています。
② 発育・成長への影響
妊娠中の母親がPFASに暴露された場合、胎児の発育に影響する可能性が研究で示されています。
出生体重の低下や早産との関連を示す研究もあります。
③ 甲状腺機能への影響
PFASがホルモン作用に影響し、甲状腺機能に関わる可能性が研究で報告されています。
甲状腺ホルモンは子どもの成長・発達に重要な役割を果たします。
④ 神経発達への影響
一部の研究でPFASへの暴露と注意力・学習能力への影響との関連が示されています。
ただしこの点については研究結果が一致しておらず、引き続き調査が進められています。
⑤ コレステロール値への影響
子どものPFAS血中濃度と総コレステロール値の上昇との関連が複数の研究で報告されています。
重要:研究結果の正しい読み方
上記の研究結果を読む際に重要なポイントがあります。
「関連がある」=「必ず影響が出る」ではない
研究で「関連が示された」というのは、PFASへの暴露が高い集団である症状が多く見られたという統計的な結果です。
PFASを摂取したら必ず影響が出る、というわけではありません。
現在の基準値は安全マージンを含む
日本の基準値は、長期間・大量摂取しても健康に影響しないと考えられる水準をもとに設定されています。
研究は継続中
PFASの健康影響については現在も世界中で研究が進んでおり、新たな知見が加わり続けています。
妊娠中・授乳中のお母さんへ
妊娠中・授乳中は特に気をつかう時期だと思います。
母乳とPFAS
母乳中にもPFASが含まれることが研究で確認されています。
ただしWHO(世界保健機関)は母乳育児の利点がPFASリスクを上回るとして、通常の状況では母乳育児を推奨しています。
母乳育児を中止する必要はないとされていますが、不安な場合はかかりつけの産婦人科・小児科医にご相談ください。
妊娠中の水道水
現在の基準値以下の水道水は妊娠中も問題ないとされています。
特に心配な場合はRO膜浄水器の導入を検討することもできます。
保護者ができること
水道水について
①自治体の検査結果を確認する
お住まいの自治体のウェブサイトで水質検査結果を確認してください。
基準値以下であれば通常の使用で問題ありません。
② 気になる場合は浄水器を検討する
RO膜(逆浸透膜)フィルター付きの浄水器はPFASの除去に効果的です。
特に乳幼児のいるご家庭でより安心したい場合の選択肢の一つです。
日常生活について
フッ素加工の調理器具
コーティングが傷んでいるフッ素加工のフライパンは交換することをお勧めします。
通常使用では問題ないとされていますが、コーティングが剥がれた状態は避けた方が無難です。
食品包装
ファストフードの包装紙など耐油加工された紙製容器はPFASを含む場合があります。
頻繁に利用する場合はPFASフリー包装を使用する店舗・製品を選ぶことも一つの選択肢です。
防水スプレー
衣類用の防水スプレーにはPFAS系成分を含むものがあります。
子どもの衣類への使用は控えるか、PFASフリーの製品を選ぶことをお勧めします。
学校・保育園の水は大丈夫?
学校・保育園で使用される水道水も同様に水道法の基準が適用されます。
2026年4月から義務化された定期検査の対象には学校・保育園が使用する水道事業者も含まれます。
気になる場合は学校・保育園または自治体の担当課に問い合わせることができます。
かかりつけ医への相談
子どものPFAS暴露について具体的に心配がある場合はかかりつけの小児科医に相談することをお勧めします。
地域によっては自治体が住民向けの血液検査・健康調査を実施している場合もあります。
お住まいの自治体に問い合わせてみてください。
自治体の担当者の方へ
住民から「子どもへの影響」について問い合わせを受ける機会が増えていると思います。
保護者からの不安の声に丁寧に対応するためには
– 子ども向け・保護者向けのわかりやすい説明資料の作成
– よくある質問(FAQ)の整備
– 学校・保育園への情報提供
などの取り組みが有効です。
住民説明資料の作成や説明会の準備が必要な場合は専門家への相談もご活用ください。
まとめ
現在の日本の水道水は基準値以下に管理されており、通常の使用で直ちに健康被害が生じるレベルではありません。
ただし子どもは体重あたりの摂取量が多く発達途上であるため、免疫・発育・甲状腺への影響が懸念されており研究が進んでいます。
「過度に恐れず、しかし軽視もせず」正確な情報をもとに適切に対応することが大切です。
不安が強い場合は自治体の水質検査結果の確認、RO膜浄水器の導入検討、かかりつけ医への相談をお勧めします。









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