REACH規制のSVHC調査票の書き方【製造業向け】|回答を求められたときの完全対応ガイド
EU企業から届くSVHC(高懸念物質)調査票。PFASが規制対象物質として追加されたことで、製造業の担当者が対応に追われるケースが急増しています。
SVHC調査票は単なる書類作業ではありません。回答の内容と速さが取引継続に直結します。この記事では製造業がSVHC調査票に正確・迅速に回答するための完全ガイドを提供します。
SVHCとは何か
SVHC(Substances of Very High Concern:高懸念物質)はEUのREACH規則で定められた特に懸念の高い化学物質のリストです。
現在400種類以上の物質がリストに掲載されており、その中にはPFOS・PFOAが含まれています。EUのPFAS包括規制が進めば、さらに多くのPFAS関連物質が追加される見込みです。
SVHC情報伝達義務
製品中のSVHC含有量が**0.1重量%**を超える場合、サプライチェーン内での情報伝達が義務付けられます。
SVHC調査票で聞かれる主な項目
質問項目と内容
- SVHC含有有無 : 対象物質が製品に含まれているか
- 物質名・CAS番号 : 含有物質の特定
- 含有量(重量%) : 製品全体または部品中の濃度
- 含有箇所 : 製品のどの部位に含まれているか
- 使用目的 : なぜその物質が必要か
- 代替計画 : いつまでにPFASフリー化できるか
回答前の事前調査:3ステップ
STEP 1:使用材料のSVHC確認
製品に使用しているすべての材料・部品について、以下を確認します。
ECHAのSVHCリストを使う
ECHAの公式サイト(echa.europa.eu)でSVHCリストが公開されています。使用材料のCAS番号と照合します。
サプライヤーへの問い合わせ
材料メーカーにSVHC含有確認書・SCIP情報を依頼します。
STEP 2:含有量の把握
SVHCが含有されている場合、製品全体に対する重量%を算出します。0.1%という閾値が情報伝達義務の分岐点です。
STEP 3:証明書類の収集
- サプライヤーの不含有証明書
- 分析証明書(含有量の実測データ)
- 製品の成分構成データ(BOM)
回答パターン別:記載例
パターン①:SVHC不含有の場合
回答:
対象物質の含有:なし
確認方法:使用材料のSDS確認および
サプライヤーへの不含有確認(証明書添付)
確認日:〇年〇月〇日
担当者:(氏名・部署)
添付書類:不含有証明書
パターン②:SVHC含有(0.1%以上)の場合
回答:
対象物質の含有:あり
物質名:(具体的な物質名)
CAS番号:(番号)
含有量:(重量%)
含有箇所:(製品の部位名)
使用目的:(技術的必要性の説明)
代替計画:〇年〇月までにPFASフリー品への切替を予定
または「現在代替品を評価中」
パターン③:調査中の場合
回答:
現在サプライヤーへの確認を実施中です。
正式回答の期限:〇年〇月〇日
暫定回答:調査中のため確認できておりません。
進捗については随時ご連絡します。
よくある間違いと対策
- 間違い①:「不含有」と回答したが証明書がない
証明書なしの回答は顧客から「証拠が不十分」と判断されます。必ず証明書類を添付してください。 - 間違い②:材料のSDSだけで確認した
SDSにSVHCの記載がない場合でも、実際には含有しているケースがあります。直接メーカーへの確認が必須です。 - 間違い③:古いBOM(部品構成表)で確認した
材料メーカーが原材料を変更している場合があります。直近1年以内の情報で確認してください。 - 間違い④:期限を守らなかった
回答期限を超えることは「対応できない企業」という印象を与えます。準備中であれば期限前に連絡することが最重要です。
SCIP登録との関係
EU内でSVHC含有品(0.1%以上)を販売・流通させる場合、ECHAのSCIPデータベースへの登録が義務付けられています。
EU向け直接販売を行っている企業は、SVHC調査票への回答に加えてSCIP登録の準備も必要です。
まとめ
SVHC調査票への対応は、EU取引継続の条件となりつつあります。回答の速さと正確さが取引先からの評価を決めます。
まずBOMの整備・サプライヤーへの情報収集・証明書類の取得という基盤を整えておくことで、次回以降の調査票に即答できる体制ができあがります。
当研究所ではSVHC調査票の対応支援・PFAS含有確認・証明書類の整備をサポートしています。
EU輸出でお困りの方はまずご相談ください。









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