PFASフリーとは何か 「PFAS不使用」の本当の意味をわかりやすく解説
近年、環境問題として注目されているPFAS(有機フッ素化合物)。
EUやアメリカを中心に規制が進み、「PFASフリー(PFAS free)」という言葉を目にする機会も増えています。
しかし「PFASフリー」という言葉には、実は明確な国際定義があるわけではありません。
企業や製品によって意味が異なる場合もあり、「PFASフリーとは何を指すのか」が分かりにくい状況になっています。
本記事では、PFASフリーの意味と、企業が考えるべきPFAS対策について解説します。
PFASフリーとは
PFASフリーとは一般的に「PFAS(有機フッ素化合物)を使用していない製品または製造プロセス」を意味します。
ただし実際には、PFASフリーには次のような 複数のレベルがあります。
PFASフリーの3つの意味
PFASフリーには主に次の3つの意味があります。
① 製品にPFASが含まれていない
最も一般的な意味です。
完成した製品の中にPFASが含まれていない状態を指します。
例えば
・撥水加工されていない衣類
・PFASを含まない調理器具
・PFASを含まない洗浄剤
などです。ただしこの場合でも、製造工程でPFASが使用されている可能性があります。
② 原材料にPFASが含まれていない
より厳しい基準では、原材料の段階からPFASを含まないことを求めます。つまり
原材料
↓
製造
↓
製品
このすべての段階でPFASを排除する考え方です。
サプライチェーン全体でPFASを管理する必要があります。
③ 製造工程でもPFASを使用していない
EUのPFAS規制では、このレベルが特に重要になっています。
製造工程では、次のような用途でPFASが使われることがあります。
・界面活性剤
・分散剤
・化学反応補助剤
・表面処理
・半導体製造工程
最終製品にPFASが残らない場合でも、製造工程で使用されるPFASは環境に排出される可能性があります。
そのためEUでは、製造工程でのPFAS使用も問題視されています。
EU規制とPFASフリー
EUでは現在、REACH規則のもとでPFASの包括的規制が検討されています。この規制案では
・PFASの製造
・PFASの使用
・PFASを含む製品
が対象となる可能性があります。
つまり PFASを使用すること自体が規制対象 になる可能性があります。
このため、EU企業では PFAS free manufacturing(PFASフリー製造) という考え方が広がっています。
PFASフリー製造とは
PFASフリー製造とは、次の3つの段階でPFASを使用しないことを指します。
原材料
PFASを含まない材料を使用する
製造工程
製造補助剤としてPFASを使用しない
製造設備
PFASを含む材料(PTFEなど)を使用しない
このように、製品だけでなく 製造プロセス全体でPFASを排除する考え方です。
PFASフリー証明とは
最近、企業の間では PFAS free declaration という書類が求められることがあります。
これは「自社製品がPFASを使用していない」ことを宣言する書類です。
特に欧州企業との取引では、サプライヤーに対してこの証明を求めるケースが増えています。
PFASフリーが重要になる理由
PFASフリーが重要視される背景には、次のような理由があります。
環境問題
PFASは自然環境でほとんど分解されません。
水質問題
PFASは地下水や河川に広がる可能性があります。
健康リスク
一部のPFASは人体への影響が懸念されています。
規制リスク
EUやアメリカで規制が進んでいます。
今後の企業対応
企業は今後、次のような対応が求められる可能性があります。
・PFAS使用状況の調査
・サプライチェーン管理
・代替技術の導入
・環境リスク評価
特にEU市場と取引する企業は、PFAS対応が重要なテーマになる可能性があります。
PFASフリー製品の具体例
現在、さまざまな分野でPFASフリー製品への移行が進んでいます。
防水・撥水衣料
レインウェアやアウトドアジャケットでは、従来のPFAS系撥水剤に代わり、PFC(含フッ素化合物)フリーの撥水加工技術が採用されるケースが増えています。
食品包装
ファストフードの包装紙やピザ箱など、油を通さない加工が必要な食品包装でも、PFASフリー素材への切り替えが進んでいます。
調理器具
フッ素樹脂コーティングの代替として、セラミックコーティングやステンレス素材を使用した調理器具が普及しています。
PFASフリー製造とは
「製品にPFASが含まれていない」だけがPFASフリーではありません。EUの規制の方向性を踏まえると、以下の3段階すべてでPFASを使用しないことが求められる可能性があります。
1. 原材料:PFASを含まない原料の使用
2. 製造工程:製造補助剤・洗浄剤・界面活性剤としてPFASを使用しない
3. 製造設備:PFAS含有素材(PTFEなど)の見直し
PFASフリー化の課題
PFASは優れた機能を持つ化学物質のため、完全な代替が難しい用途も存在します。特に半導体製造や医療機器など、高度な耐薬品性・耐熱性が求められる分野では、代替材料の開発が引き続き課題となっています。
まとめ
PFASフリーという言葉は、単に「製品にPFASが含まれていない」という意味ではありません。
近年では
・原材料
・製造工程
・製造設備
を含めた 製造プロセス全体でPFASを排除する考え方が広がっています。
EUのPFAS規制の動向を考えると、今後企業にとってPFAS管理は重要なテーマになる可能性があります。









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