応用地質株式会社|地盤・地下水のプロが担うPFAS汚染対策
PFASというと、「水道水から1リットルあたり何ナノグラム検出された」という、 “測る”話が中心になりがちです。
しかし、検出されたPFASが「どこから来て」「どこまで広がり」「どうすれば減らせるのか」を明らかにするには、 分析とはまた別の専門性が必要になります。
それが、地盤と地下水に関する知見です。
今回ご紹介する応用地質株式会社(OYO Corporation 以下、応用地質)は、 この「地下に潜む汚染をどう捉え、どう手当てするか」を、 長年にわたり本業としてきた企業です。
これまで本サイトで取り上げてきた分析・測定を担う企業群とは、 少し異なる立ち位置からPFAS対応の一翼を担っています。
会社概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 社名 | 応用地質株式会社(OYO Corporation) |
| 設立 | 1957年(昭和32年)5月2日 |
| 本社所在地 | 東京都千代田区神田美土代町7番地 |
| 資本金 | 161億7,460万円 |
| 株式市場 | 東京証券取引所プライム市場 |
| 社員数 | 連結2,703名/単体1,265名(2025年12月31日現在) |
| 主な事業 | 地盤調査・建設コンサルタント、自然災害リスクの調査・解析・対策、環境保全・環境リスクの調査・対策、地盤・環境・災害情報サービス、計測システム機器の開発・製造・販売 |
| 主な登録・認定 | 環境省指定調査機関(土壌汚染対策法)、建設コンサルタント業・地質調査業・計量証明事業(濃度)登録、ISO 9001/14001/27001、ISO/IEC 17025認定試験所(コアラボ試験センター) |
1957年創業の、いわば地質コンサルタントの草分けにあたる企業です。
道路や都市計画にともなう地盤調査から、 地すべり・地震・風水害といった自然災害への対策、 環境リスクの調査・対策まで、 「地面の下で起きていること」を見立てる技術を幅広く扱ってきました。
「測る」より一歩奥――地盤・地下水の専門家という立ち位置
PFASをめぐる対応には、いくつかの異なる役割があります。
「どれだけ含まれているかを測る(分析)」 「使わずに済ませる・置き換える(製品・素材)」 そして「広がりを止め、発生源を断つ(調査・対策)」。
応用地質が担うのは、このうち三つ目の領域です。
PFASは化学的に安定した構造をもち、 環境中で分解されにくく、蓄積性が高いという特徴があります。
さらに地下水中での移動性が比較的高いとされており、 いったん地下に侵入すると、目に見えないまま敷地の外へ広がっていく可能性があります。

こうした汚染に有効な手を打つためには、 PFASの化学的性質に加えて、 その場所固有の地下水の流れと、流れを左右する地盤の特性を、 十分に把握する必要があります。
応用地質は、長年の土壌・地下水汚染調査で培った知見をもとに、 サイトごとの条件に応じた対策プログラムを提供しています。
修復プログラムの4つのステップ
応用地質が示すPFAS(PFOS等)の地下水汚染への対応は、 おおむね次の流れで構成されています。
PFASは規制や分析・浄化手法がまだ十分に確立されていない物質であるため、 限られた事例や研究成果を最大限に活用しながら、 計画段階から丁寧に組み立てていく点が特徴です。
1. サイト概念モデル(CSM)の作成と調査計画
国内外の汚染事例や地盤情報をもとに、 汚染がどのように生じ広がったのかという「汚染シナリオ」を推定します。
これをもとに初期のサイト概念モデル(CSM)を作成し、 以降のリスク見積もりや修復目標の検討、 調査計画づくりの土台とします。
2. フィールド調査による実態把握
推定した汚染源とその周囲の地下水・土壌を、実際に調べます。
修復目標を定めるには、 地下水の流れに影響する地質構造を正しく押さえることが重要です。
なお、PFASは身の回りの生活用品にも広く使われているため、 調査員の着衣や機材からの交叉汚染(クロスコンタミネーション)にも、 細心の注意が必要とされます。
応用地質では、作業手順の整備とサンプルの品質管理を徹底しています。
3. 修復目標の設定(リスク評価と将来予測)
調査結果から3次元の水理地質モデルを作成し、 数値シミュレーションによって地下水の流れとPFASの挙動を予測します。
対策をしなかった場合の汚染拡大の見通しや、 周辺での地下水の利用実態なども踏まえたうえで、 修復の目標値とその範囲を決定します。
4. 対策工の設計・実施とモニタリング
PFASの浄化には複数の手法が提案されているものの、 汎用性のある技術はまだ限られています。
そのため、各サイトの汚染状況を見極めて適切な対策を選定し、 施工の進み具合をモニタリング・評価しながら、 必要に応じて施工へ反映していくという進め方がとられます。
応用地質ならではの強み
応用地質の強みは、PFASに限らない土壌・地下水汚染対策の、 実績の厚みにあります。
ダイオキシン類や1,4-ジオキサンといった、 過去に社会問題となった化学物質による汚染にも、 その黎明期から数多く取り組んできました。
加えて、長年の調査を通じて蓄積してきた、 自社の地盤データを保有している点も特徴です。
「未規制で、手法も確立されていない」という難しさを抱えるPFASに対しても、 この実績とデータを土台に、 サイトごとの最適な対策を組み立てることを目指しています。
PFAS対応の“地図”のなかでの位置づけ
製造業や自治体、水道事業者にとって、 自社の敷地や水源で高い濃度のPFASが確認されたとき、 次に必要になるのは「どこから来ているのか」「どこまで広がっているのか」を突き止める調査であり、 その先の対策です。
応用地質は、この局面を地盤・地下水の専門性から支える存在だといえます。
ただし、どの場面で誰に何を相談すべきかは、 汚染の状況や敷地の条件、規制対応がどの段階にあるかによって変わります。
本記事は各社の立ち位置を示す“地図”であって、 個別のケースの判断に代わるものではありません。
自社にとって今どの一手が必要なのかは、 状況を整理したうえで、専門家とともに見極めていくことをおすすめします。
PFAS Solutions+では、こうした「測る」「置き換える」「対策する」といった各層の担い手を、 できるだけ中立的な視点で整理してお伝えしていきます。
全体像を俯瞰したうえで、 自社にとっての次の一歩を考える材料としてご活用いただければ幸いです。
参考・出典
応用地質株式会社「有機フッ素化合物による地下水汚染への対策支援」
応用地質株式会社「会社概要」
※本記事は、応用地質株式会社の公開情報をもとに、PFAS Solutions+が編集・要約したものです。最新かつ正確な情報は、応用地質公式サイトをご確認ください。






























