自社で測れないPFASを、誰に託すか─環境管理センターが担う「現場で測る」力【企業シリーズ・測定編②】
「測る」の次に来る現実的な問い
前回の測定編①では、PFASを高感度で測るための分析機器として島津製作所を取り上げました。しかし現場で多くの企業がぶつかるのは、もっと手前の問いです。
「その機器を、自社で持てるのか」。
PFASの分析に用いるLC-MS/MS(液体クロマトグラフ質量分析計)は、装置そのものが高額なうえ、ng/L(ナノグラム毎リットル)という極微量を安定して測るには、専用の前処理、標準物質、熟練したオペレーター、そして妥当性が確認された分析手順が欠かせません。
水道事業者や大手分析会社を除けば、自社内に測定体制を構えるのは現実的でないケースがほとんどです。
そこで選択肢になるのが、PFAS分析に対応する受託分析機関の外部委託です。
今回は、環境分野の調査・分析を総合的に手がける株式会社環境管理センターを、「現場で採って、測る」側の代表として取り上げます。
同社の特徴は、分析だけでなく「現場で採るところから関われる」点にあります。
【図1】
なぜ今、事業者にも分析が必要なのか
PFAS対応というと水道水の話だと思われがちですが、規制の波は事業者側にも及んでいます。
2025年6月30日、環境省は水質基準に関する省令などを改正・公布し、PFOSおよびPFOAを水道水の水質基準項目に追加しました。基準値は両者の合算で50ng/L以下、施行は2026年4月1日で、以降は水道事業者等に概ね3か月に1回の検査と基準遵守が義務付けられます。
この動きは、水道水だけにとどまりません。
工場の排水、敷地内の土壌・地下水、そして製品そのものにPFASが含まれていないか――。
取引先や海外規制(EUのECHA制限案など)からの要請を背景に、「自社の数字を把握しているか」を問われる場面が増えています。
測ることは、もはや水道事業者だけの課題ではなく、製造業を含むあらゆる事業者の経営課題になりつつあります。
株式会社環境管理センターとは
環境管理センターは、「徹底した現場主義」を掲げ、環境の調査・分析・コンサルティング・対策工事までを一貫して手がける環境総合コンサルティング会社です。
水質や大気の調査・分析にとどまらず、土壌汚染調査、自然生態系調査、騒音・振動、放射能・放射線の測定、作業環境測定まで、環境課題を幅広くカバーしています。
土壌汚染対策法の指定調査機関でもあり、調査から対策、関係官庁との協議までを通して支援できる点が特徴です。
同社が重視するのは、ラボの中だけで完結しない姿勢です。
調査部門が全国で試料採取(採水・採土など)を担い、分析・解析につなげる体制を持っているため、「どこで・どう採るか」という、数字の信頼性を左右する上流から関与できます。
【図2】
会社概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 社名 | 株式会社環境管理センター(ENVIRONMENTAL CONTROL CENTER CO., LTD.) |
| 設立 | 1971年(昭和46年)7月 |
| 本社所在地 | 東京都八王子市散田町3-7-23 |
| 上場 | 東京証券取引所スタンダード市場(証券コード:4657) |
| 主な事業 | 環境調査・分析・コンサルティング・対策工事(土壌・水質・大気・騒音振動・生物・アスベスト等)のワンストップ提供 |
| PFAS関連の位置づけ | 環境計量証明に基づき、水質・土壌等のPFAS分析に対応。ISO/IEC 17025試験所認定の分析体制を保有。 |
環境管理センターのPFAS分析
PFASについて、環境管理センターは公開情報ではPFOS・PFOA・PFHxSの分析対応が案内されており、を提供しています。
試料の媒体ごとに適切な前処理を行ったうえで、LC/MS/MS(高速液体クロマトグラフ質量分析計)により測定する方法をとり、環境省通知(令和2年5月28日)に定められた分析法に対応しています。
用途として公開されているのは、主に次のような場面です。
ひとつは、処理水の処理前後を調べることで、その施設におけるPFASの処理効率を把握する用途です。
除去設備を導入したものの「実際にどれだけ減らせているか」を数字で確認したい、という需要に応えます。
次に、排水が適正に処理されて環境中へ放出されているかの確認。
そして、河川や湖沼でのモニタリング調査による濃度変動の実態把握。
さらに、PFASを含む環境試料の分析に加え、用途に応じた含有調査の相談にも対応しています。するとされています。
試料採取については、同社の調査員が現地へ赴いて採取する方法に加え、利用者が持ち込んだ試料の分析にも対応しています。
つまり「採水から任せたい」企業にも、「サンプルは自社で用意できる」企業にも、入り口を用意しているということです。
PFAS分析会社や受託分析機関を探している企業担当者の多くは、「どこへ依頼すればよいのか分からない」という課題を抱えています。分析対象が水なのか、排水なのか、土壌なのか、あるいは製品含有なのかによって適切な依頼先は変わります。
受託分析機関を選ぶときの視点
ここで一点、整理しておきたいことがあります。
受託分析機関、あるいはPFAS分析会社といっても、得意領域は同じではありません。
大きく分けると、水道法に基づく水道水の検査(厚生労働大臣登録の水質検査機関の領域)と、排水・河川・土壌・製品含有といった環境・事業者側の分析とでは、求められる登録区分や手法が異なります。
自社がどちらのニーズなのかを見極めたうえで、依頼先を選ぶことが大切です。
判断の目安としては、次のような点が挙げられます。
* 定量下限値が規制値(50ng/L)に対して十分に低いか
* PFOS・PFOAだけでなくPFHxSなど要検討項目まで測れるか
* 目的に合った公定法・分析法に対応しているか
* 現地採水まで任せられるか
* 単発の測定だけでなく継続的な課題解決まで相談できるか
環境管理センターは、このうち「排水・環境・製品含有」側、そして「現場で採る」「処理効果を検証する」といった、事業者の継続的な環境管理に寄り添う領域に強みを持つ一社だと位置づけられます。
まとめ──測った先に、判断がある
PFAS対応は、正確に測ることから始まります。
しかし数字が出た後には、「この値をどう解釈し、何をすべきか」という、もう一段難しい問いが待っています。
- 基準を超えていたら。
- 超えそうだったら。
- 製品に含まれていたら。
その判断は、測定とはまた別の専門性を要します。
PFAS Solutions+では、「測る」を担う各社を中立の立場で紹介しながら、その先の「では自社は何をすべきか」を整理するお手伝いをしています。
分析会社の紹介そのものではなく、
- そもそも測定が必要なのか
- どこを測るべきなのか
- 測定結果をどう解釈すべきなのか
といった初期整理の段階からご相談いただけます。
PFAS対応では、「まず測るべきか」「どこを測るべきか」を整理するだけでも、無駄な調査やコストを避けられる場合があります。PFAS Solutions+では、公開情報や規制動向を踏まえながら、そうした初期整理の情報提供も行っています。
独立性に関する注記
本記事は、公開情報をもとにPFAS Solutions+編集部が独自に作成したものです。
株式会社環境管理センターから依頼・対価・原稿確認を受けたものではなく、特定の分析機関を推奨する意図はありません。
各社のサービス内容・対応範囲は変更される場合がありますので、依頼前に必ず公式情報をご確認ください。
出典
・環境省「水質基準に関する省令の一部改正」(2025年6月30日公布/2026年4月1日施行)
・株式会社環境管理センター 公式サイト「有機フッ素化合物の分析(PFOS・PFOA・PFHxS)」「会社概要」
・環境省「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の施行等について」(令和2年5月28日通知)






























