岡山県吉備中央町は、岡山県中部の山間部に位置する人口約8,500人の小規模自治体です。ダム直接取水・浅井戸水・用供受水を水源とし、原水→凝集沈澱→急速ろ過→粒状活性炭という処理フローで給水を行っています。吉備中央町の事例は、飲用制限措置(断水に準じる措置)という強い対応を取らざるを得なかった点で、住民への影響が最も大きかった事例の一つです。
検出の経緯
給水栓(蛇口)の検査において、PFOS・PFOAが暫定目標値を超えて検出されました。
応急的対応
①飲用制限措置の実施(令和5年10月16日〜11月21日)
2023年10月16日から11月21日まで約1か月間、飲用制限措置を実施しました。これは住民に対してその水を飲まないよう求める措置で、生活への影響が大きいものです。
②抜本的な浄水施設の洗浄・更新
飲用制限期間中に以下の対応を実施しました。
- 水源の変更
- 浄水場沈殿池・急速ろ過地の洗浄
- 活性炭の入替
- 配水池の洗浄
③応急給水の実施
飲用制限に伴い、住民が飲料水を確保できるよう以下の応急給水体制を整えました。
- 当該地区への役場からの放送でのお知らせ
- 自治会を通じての通知
- 給水所6か所を設置して飲料水を供給
- 事業所への個別給水
④農業用ダム水と広域受水の活用
農業用ダム水の取水と、広域水道企業団からの受水を組み合わせることで水源を確保しました。
⑤住民への徹底した情報提供
役場からの放送・住民説明会・個別文書の発送・ホームページへの掲載という多層的な情報提供を実施しました。
⑥原因究明のための連携
岡山県と連携し、環境部局・町住民課等と協力して原因究明を進めました。また、日本水道協会岡山県支部へ協力要請を行い、専門的な支援を受けました。
中期的対応
①継続的な水質検査
現在も供給地区3か所で月3回の水質検査を実施し、安全確認を継続しています。
②広域水道からの全量受水工事(令和8年3月まで)
抜本的な解決策として、広域水道企業団からの全量受水のための施設・設備・配管工事を実施。2026年(令和8年)3月までの完成を目指しています。
③原因究明部会の設立
原因究明部会を設立し、汚染源の特定に向けた調査を継続しています。
現在の状況
給水栓においてPFOS・PFOAの暫定目標値(50ng/L)以下での給水が維持されています。2026年3月の全量受水完成を目指した工事が進行中です。
まとめ
吉備中央町の事例は、小規模自治体がPFAS問題に直面した際の困難さを示しています。代替水源が限られる中で飲用制限措置という最終手段に踏み切り、給水所設置・住民説明会開催など住民対応に全力を注いだこと、そして広域水道への全面移行という長期的解決策を選択したことは、同様の状況にある小規模事業体にとって重要な示唆を与えます。









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