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PFAS検出限界とは(LOD / LOQ解説)

2026.03.05

PFAS(有機フッ素化合物)の分析では、非常に低濃度の化学物質を測定する必要があります。
そのためPFAS分析では「検出限界(Detection Limit)」という概念が重要になります。
検出限界とは、分析装置や分析方法によって どの程度の濃度まで化学物質を検出できるかを示す指標です。
PFASは地下水や飲料水などに微量で存在する場合が多く、検出限界が低いほど高感度な分析が可能になります。
一般的にPFAS分析では ng/L(ナノグラム毎リットル)レベルの検出が求められます。

検出限界(LOD)とは

LOD(Limit of Detection)は、化学物質を 検出できる最小濃度を意味します。
LODは 「存在していることが確認できる最低濃度」を示します。
ただしLODは「存在を検出できる」という意味であり、必ずしも正確な濃度を測定できるわけではありません。

定量下限(LOQ)とは

LOQ(Limit of Quantification)は、化学物質を 定量できる最低濃度を示します。
LOQはLODより高い値になります。
LODとLOQの違いは以下の通りです。

指標 意味
LOD 検出できる最低濃度
LOQ 正確に測定できる最低濃度

PFAS分析ではLOQが重要な指標になります。

MDLとは

MDL(Method Detection Limit)は、分析方法全体の検出限界を示します。
MDLは

・サンプル前処理
・抽出
・分析装置

などすべてを含めた検出限界です。
そのため実際のPFAS分析では MDLが使用される場合が多いです。

PFAS分析における検出限界

PFAS分析では非常に低い検出限界が必要になります。
現在のLC-MS/MS分析では 1 ng/L以下 のPFASを検出できる場合があります。
これは 1リットルの水に1ナノグラム という極めて低い濃度です。

なぜPFASは低い検出限界が必要なのか

PFASは微量でも環境中に広く存在する可能性があります。
そのため

・地下水調査
・水道水検査
・環境モニタリング

では非常に低い濃度を測定する必要があります。
例えば、アメリカEPAの飲料水基準では ppt(parts per trillion) レベルの測定が必要になります。pptは 1兆分の1 という非常に低い濃度を意味します。

PFAS分析の測定単位

PFAS分析では主に以下の単位が使用されます。

単位 意味
ng/L ナノグラム毎リットル
ppt trillion分率
µg/L マイクログラム毎リットル

多くの環境分析では ng/Lまたはpptが使用されます。

PFAS分析で使用される装置

PFAS検出には高度な分析装置が必要です。
代表的な装置は以下です。

LC-MS/MS

PFAS分析で最も広く使用される装置です。
LC-MS/MSは

  1. 液体クロマトグラフで化学物質を分離

  2. 質量分析計で分子量を測定

することでPFASを検出します。
この方法は

・高感度
・高精度
・多成分分析

が可能です。

高分解能質量分析

研究用途では高分解能質量分析が使用されます。
この方法では 未知PFAS の探索が可能になります。

PFAS検出限界に影響する要因

PFAS検出限界はさまざまな要因によって変わります。

サンプル前処理

PFAS分析では固相抽出などの前処理が行われます。
この工程は検出限界に大きく影響します。

分析装置

質量分析装置の性能によって検出感度が変わります。

分析対象物質

PFASの種類によって検出感度が異なる場合があります。

PFAS分析の課題

PFAS分析にはいくつかの課題があります。

PFASの種類が多い

PFASは数千種類存在すると言われています。
そのためすべてのPFASを測定することは難しいとされています。

前駆体PFAS

PFASには前駆体物質が存在します。
これらは通常の分析では検出されない場合があります。

分析コスト

PFAS分析には高価な装置が必要です。
そのため分析費用が高くなる場合があります。

PFAS検出技術の今後

PFAS規制の強化により、PFAS検出技術の重要性は今後さらに高まると考えられています。
今後の研究テーマ

・PFAS分析技術
・未知PFAS検出
・環境モニタリング

PFAS検出技術は環境科学の重要な研究分野となっています。

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