お問い合わせ
2026年4月1日|PFOS・PFOA 水質検査 義務化スタート 省令公布済(2025年6月30日) 務化で何が変わるか →

食品・飲料工場のPFAS水管理ガイド|工場用水・排水・包装材のリスクと対策

2026.04.07

食品・飲料メーカーにとって、PFASは「水の問題」と「包装の問題」の両方が重なる特殊な業種です。製造用水の安全性・工場排水の管理・食品包装材のPFAS含有——この3つが同時に問題になります。
加えてBtoCブランドを持つ企業にとって、PFAS汚染の発覚はブランド価値への直接的な打撃になります。この記事では食品・飲料工場が押さえるべきPFAS管理の全体像を解説します。

食品・飲料業界が直面する3つのPFASリスク

リスク① 製造用水のPFAS

食品・飲料製造では大量の水を使用します。製造用水にPFASが含まれる場合、製品への移行リスクと工場排水の汚染リスクが発生します。

確認が必要な水の種類
  • 工場の地下水・井戸水(特に地下水を使用している工場)
  • 市水(水道水)でも、高濃度の地域では追加確認が必要
  • 製品に直接使用する水(飲料水・洗浄水・調理水)
  • 2026年4月の義務化との関係

    水道水については2026年4月から基準値(50ng/L)遵守が法的義務になりました。地下水・井戸水を使用している食品工場は特に確認が必要です。

リスク② 工場排水のPFAS

食品工場の排水にPFASが混入する主な原因は以下のとおりです。
原因と内容

  • 洗浄剤 : フッ素系界面活性剤含有の工業用洗浄剤
  • 包装機械の洗浄 : フッ素系コーティング部品からの溶出
  • 原料由来 : 原料・添加物に含まれるPFAS
  • 配管・容器 : PTFE・PFA製の配管・容器からの微量溶出

リスク③ 食品包装材のPFAS

耐油紙・食品容器・テイクアウト包装にはPFASが使用されてきました。EU・米国では食品包装のPFASフリー化が急速に進んでいます。

規制の動向
  • 米国:複数州で食品包装のPFAS使用を禁止
  • EU:食品接触材料のPFAS規制を段階的に強化
  • 日本:現時点では直接規制なし(ただしEU輸出・EC販売には影響)

製造用水の管理:今すぐ確認すべきこと

チェックリスト

□ 地下水・井戸水を製造用水に使用している
□ 地下水のPFAS検査を実施したことがない
□ 周辺地域でPFASの検出が報告されている
□ 工場周辺にメッキ・化学・軍事施設がある
□ 2026年以前の古い施設で水質管理を見直していない
1つでも該当する場合は早急な確認が必要です。

製造用水の検査基準

食品製造用水としては、飲料水基準(PFOS+PFOA 合算50ng/L以下)を満たすことが最低ラインです。
飲料・乳幼児食品・健康食品を製造している場合は、より厳格な自主基準(米国EPA基準の4ng/L程度)での管理を検討することを推奨します。

工場排水の管理

重点確認工程

食品工場で特にPFAS排水リスクが高い工程は以下のとおりです。

工程とリスク
  • 製造設備の洗浄 : フッ素系洗浄剤の使用
  • CIP(定置洗浄) : 高濃度洗浄剤の定期使用
  • 包装ライン : フッ素系コーティング部品の洗浄排水
  • 排水処理 : PFAS除去機能がない場合の放流リスク
排水検査の実施

年1回以上の定期検査を推奨します。特に洗浄剤を変更した後・新設備導入後は必ず再検査を実施してください。

食品包装材の対応

国内対応が必要な場面

  • EC・通販での販売: Amazon・楽天等のプラットフォームがPFASフリー要件を導入する動きがある
  • EU向け輸出: REACH規制の食品接触材料規制への対応
  • BtoBの場合: 取引先の大手流通から証明書類を求められるケースが増加

確認方法

現在使用している包装材のサプライヤーに以下を確認します。

確認事項:
□ 耐油加工紙・撥水加工紙のPFAS含有有無
□ 不含有証明書の発行可否
□ PFAS含有の場合の代替品と切替時期

ブランドリスクの観点から

食品・飲料メーカーにとってPFAS問題が他業種と異なるのは、消費者への直接的な影響があることです。
「○○社の工場からPFASが検出された」という報道は、製品の安全性への疑念に直結します。対応の遅れは売上損失につながりかねません。

先手を打つことの価値

自主的な検査・管理体制の整備は、万一問題が発覚した場合の「対応していた証拠」になります。「発覚してから慌てて動く」のではなく「事前に対応している」という事実が、ブランド保護と行政対応の両面で大きな差を生みます。

対応の優先順位

今すぐ:
① 製造用水(地下水・井戸水)のPFAS検査
② 使用洗浄剤のPFAS含有確認

1〜3ヶ月以内:
③ 工場排水のPFAS検査
④ 食品包装材のPFAS確認

3〜6ヶ月以内:
⑤ 定期モニタリング体制の構築
⑥ 包装材のPFASフリー化計画

まとめ

食品・飲料工場のPFAS対応は「水・排水・包装」の3方向を同時に管理する必要があります。BtoCブランドを持つ企業ほど、早期対応がブランド保護と競争優位の両方につながります。
まず製造用水と工場排水の現状確認から始めることが、最もリスクを低く抑えた対応の出発点です。

当研究所では食品・飲料メーカー向けのPFAS水質管理サポートを提供しています。製造用水・排水の検査手配から報告書作成まで対応します。まずはご相談ください。

この記事は役に立ちましたか?
もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。

関連記事

お問い合わせ

状況に応じた最適な対応をご提案します

自治体・企業・個人それぞれに最適な対応方法があります。
目次