お問い合わせ
2026年4月1日|PFOS・PFOA 水質検査 義務化スタート 省令公布済(2025年6月30日) 務化で何が変わるか →

スーパーで避けられる?PFASを減らす買い物のコツ|食品・包装・調理法まで実践的に解説

PFAS(ピーファス)という言葉を、ニュースやインターネットで目にする機会が増えました。

食品からPFASを摂取していると聞いて不安になった」
「スーパーでは何を選べばいいの?」
「魚は食べないほうがいいの?」

そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、PFASを買い物だけで100%避けることはできません。
しかし、日々の選び方や調理方法を少し工夫することで、体に取り込む量を減らせる可能性があります。

また、日本の食品安全委員会は、通常の食生活を送る人について「著しい健康影響は考えにくい」と評価しています。つまり、必要以上に怖がる必要はありません。
この記事では、

・PFASと食品の関係
・スーパーで選び方を工夫できる商品
・今日から始められる具体的な対策

を、できるだけ分かりやすく整理しました。

「知って、少しずつ減らす。」
そのための実践ガイドとして、ぜひ最後までご覧ください。

この記事で分かること

⬜ PFASは食品にどう入るの?
⬜ スーパーで何を選べばいい?
⬜ 魚や加工肉は避けるべき?
⬜ 今日からできる対策は?


PFASは食品からどう体に入る?

PFASとは?

PFAS(Per- and Polyfluoroalkyl Substances)は、有機フッ素化合物の総称です。
水や油をはじく性質や、熱・薬品に強い性質を持つことから、

・フライパンのコーティング
・防水加工された衣類
・食品包装
・半導体
・医療機器

など、さまざまな製品に利用されてきました。

現在では1万種類以上のPFASが存在すると考えられています。
一方で、多くのPFASは自然界で分解されにくく、環境中に長期間残留します。

また、一部のPFASは体外へ排出されにくく、長期間体内に残ることが知られています。
このため、「Forever Chemicals(永遠の化学物質)」と呼ばれることがあります。
近年は、代表的なPFOS・PFOAを中心に世界各国で規制が進んでおり、日本でも飲み水や環境中の管理が強化されています。

PFASとは?初心者向け基礎知識

PFASの何が心配なの?

PFASが注目される理由は、「長く環境や体内に残りやすい」という性質にあります。
人を対象とした疫学研究では、代表的なPFOS・PFOAについて、

・血中コレステロール値との関連
・免疫応答への影響
・一部のがんとの関連
・出生体重などとの関連

が報告されています。

また、動物実験では、

・肝臓
・免疫系
・発達
・生殖

などへの影響が確認されています。
ただし、現時点では「どの程度の曝露で健康影響が現れるのか」については、まだ十分に解明されていません。

環境省や食品安全委員会も、
「PFOS・PFOAの摂取だけを主な原因とする個人の健康被害は確認されていない」
という慎重な立場を示しています。

つまり、
「関連が報告されていること」と
「個人に健康影響が起きること」
は区別して考える必要があります。

だからこそ、
「過度に怖がる」のではなく、
「減らせる曝露は無理のない範囲で減らす」
という考え方が、現在の科学的知見にもっとも近い対策といえます。

健康影響

日本人は食品からどのくらいPFASを摂取している?

日本人がPFASを摂取する経路の一つが食品です。
農林水産省では、
魚介類を一般的な食生活における主な摂取源の一つ
としています。

一方で、
食品安全委員会は2024年にPFOS・PFOAの耐容一日摂取量(TDI)を
体重1kgあたり20ng/日
と設定しました。

これに対し、日本人の推定平均摂取量は、この値を十分に下回ると評価されています。
食品安全委員会は、
「通常の食生活を送る人々への著しい健康影響は考えられない」
としています。

つまり、
現時点では通常の食生活で直ちに健康への影響を心配する必要はありません。
しかし、今後も研究は続いており、
「減らせる曝露は減らす」
という考え方には十分意味があります。

食品にPFASが入る「2つの入口」

スーパーでの対策を考える前に、
食品へPFASが入る経路は大きく2つあることを知っておくと、商品の選び方が分かりやすくなります。

① 包装・容器から

PFASは油や水をはじく性質があるため、これまで

・耐油紙
・ファストフードの包装紙
・紙製食品容器
・電子レンジ用ポップコーン袋

などに使用されてきました。

製品や使用条件によっては、包装材から食品へ微量に移行する可能性があることが報告されています。
海外では、外食やファストフードの利用頻度が高い人ほど、血中PFAS濃度が高い傾向を示した研究もあります。

ただし、これらは関連を示した研究であり、
「包装だけが原因」と断定できるものではありません。

② 食材そのものから

もう一つは、食材そのものです。
PFASは環境中に残留するため、水や土壌を通して生物に取り込まれることがあります。

特に、魚介類は代表的な摂取源の一つとされています。
そのほか、一部の研究では

・加工肉
・お茶

などからもPFASが検出された例があります。

このように、
「包装から」
「食材そのものから」

という2つの経路を理解しておくと、
商品ごとの対策も整理しやすくなります。

食品にPFASが入る2つの入口 包装・容器から+食材そのものから

PFASと食品|魚・飲料・農産物との関係」

【商品別】スーパーでは何を選べばいい?

ここからは、スーパーでよく見かける商品ごとに、
「避ける」のではなく、
「どう付き合うか」
という視点で整理していきます。

加工肉(ハム・ソーセージ・ベーコン・ウインナー)

おすすめの考え方

毎日ではなく、「ときどき楽しむ」。
加工肉は、一部の研究でPFASとの関連が報告されている食品の一つです。
背景には、包装材だけでなく、加工工程や原材料など、複数の要因が関係している可能性があります。
そのため、完全に避ける必要はありませんが、毎日の習慣から、週に数回程度へと頻度を見直すだけでも、長期的には曝露を減らせる可能性があります。

朝食であれば、
・卵料理
・焼き魚
・豆腐
などを組み合わせる日を増やすことも選択肢です。


惣菜・お弁当・テイクアウト

おすすめの考え方

買ったら早めにお皿へ移す。
揚げ物やハンバーガーなどでは、耐油加工された包装材が使われている場合があります。
購入後は、
・お皿へ移す
・容器のまま電子レンジで温めない
この2点を意識するだけでも、包装材との接触時間や加熱の機会を減らすことにつながります。


電子レンジ用ポップコーン

おすすめの考え方

袋タイプだけでなく、豆タイプも選択肢。
電子レンジ用ポップコーンは、耐油加工された袋が話題になることが多い食品です。
現在ではPFASを使用しない製品も増えていますが、
気になる方は、乾燥コーンを鍋やフライパンで調理する方法もあります。

スーパーでできる7つの工夫 PFAS対策

紙製の使い捨て食器・ストロー

おすすめの考え方

繰り返し使える食器を基本に。
「紙製だから安心」と思われがちですが、紙皿や紙コップ、紙製ストローの中には、水や油をはじくためにPFASが使用されていた製品が報告されています。
近年はPFASを使用しない製品も増えていますが、すべての紙製品がPFASフリーとは限りません。

普段の食事では、
・陶器
・ガラス
・ステンレス
など、繰り返し使える食器を基本にすると安心です。
イベントなどで使い捨て製品を利用する場合は、「PFASフリー」などの表示がある製品も選択肢になります。

ベーカリー・お菓子

おすすめの考え方

油分の多い食品は紙袋から早めに出す。
パンやドーナツ、揚げ菓子などは耐油紙に入っていることがあります。
保存するときは、購入した袋のまま長時間置くのではなく、
・ガラス容器
・保存容器
などへ移し替える習慣がおすすめです。
これはPFAS対策だけでなく、食品の品質を保つ面でも役立ちます。

魚介類

おすすめの考え方

避けるのではなく、種類と産地を偏らせない。
魚介類は、日本人のPFAS摂取源の一つとされています。
しかし、魚には
・たんぱく質
・DHA
・EPA
・ビタミンD
など、健康に役立つ栄養素も豊富に含まれています。

そのため、「魚を食べない」という選択ではなく、
・種類を偏らせない
・産地を偏らせない
という考え方が勧められます。
バランスの良い食生活全体を意識することが大切です。魚は避けるより、バランスよく」飲み物

飲み物

おすすめの考え方

日常の水分補給は、水や自宅で淹れたお茶を基本に。
一部の研究では、お茶や一部の飲料からPFASが検出された例も報告されています。
ただし、現時点で特定の飲料を避ける必要があるというわけではありません。

日常的な水分補給は、
・浄水した水
・自宅で淹れたお茶
を中心にすると、包装飲料への依存も減らせます。

日本の水道水とPFAS

飲み水・浄水器

おすすめの考え方

気になる場合は、PFOS・PFOA除去性能が確認された浄水器を検討する。
活性炭やRO(逆浸透膜)方式などは、PFAS低減に利用されています。
購入する際は、
・PFOS・PFOA除去試験
・第三者試験
などの情報が公開されているか確認すると安心です。
なお、お住まいの自治体が公表している水質検査結果も参考になります。

浄水器


フライパン

おすすめの考え方

傷んできたら買い替えを検討する。
フッ素樹脂加工のフライパンを正常に使用している限り、過度に心配する必要はありません。
一方で、コーティングが大きく傷んだり、はがれたりした場合は、買い替えを検討するタイミングです。
新しく選ぶなら、
・ステンレス
・鉄
・セラミックコーティング
なども選択肢になります。

フッ素樹脂フライパンとPFAS

収納容器

おすすめの考え方

ガラスやステンレス製を一つ持っておく。
保存容器をガラスやステンレス製にすると、
・テイクアウト食品を移し替える
・温め直す
などがしやすくなります。
長く使えることも大きなメリットです。

日用品

食品以外にも、
・防水スプレー
・一部の化粧品
・撥水加工製品
などにPFASが使われていることがあります。
すべてを見直す必要はありませんが、食品に関係する部分から優先的に取り組むと、無理なく続けられます。

スーパーで迷ったら、この3つ PFAS対策

買い物で迷ったら、この3つだけ覚えてください

すべてを完璧に実践する必要はありません。
迷ったら、まずは次の3つを意識してみてください。

商品と風景 おすすめの考え方
加工肉 毎日ではなく、ときどき楽しむ
テイクアウト 早めにお皿へ移す
種類・産地を偏らせない
ポップコーン 豆タイプも選択肢
飲み水 必要に応じて浄水器を検討
収納容器 ガラス・ステンレスを活用

水道水と2026年の規制強化

2026年4月から、日本ではPFOS・PFOAに関する水質検査が義務化されました。
水質基準では、PFOSとPFOAの合計で50ng/L が基準値として管理されています。
今後は、自治体や水道事業者による監視体制がさらに強化される予定です。
気になる方は、お住まいの自治体が公表している水質検査結果を確認してみましょう。

完璧より、少し減らす


完璧を目指す必要はありません

PFASは環境中に広く存在しています。
そのため、「ゼロにする」ことを目標にすると、かえって負担になってしまいます。
大切なのは、今日からできることを一つずつ続けることです。

例えば、

  • 惣菜をお皿へ移す
  • 加工肉を少し減らす
  • 魚を偏らせない

そんな小さな積み重ねが、長い目で見ると大きな違いになります。

一歩先の研究

近年では、体内に入ったPFASをどう減らすか という研究も進んでいます。
例えば、腸内細菌がPFASを取り込み、便として排出を助ける可能性が報告されています。
こうした研究は将来が期待されていますが、

現時点ではまだ研究段階です。
今もっとも確実な対策は、「体に取り込む量を減らす」ことです。

よくある質問(FAQ)

Q1. PFASは食品から完全に避けられますか?

いいえ。PFASは環境中にも存在するため、完全に避けることはできません。できる範囲で曝露を減らすことが現実的な対策です。

Q2. スーパーで一番意識したほうがいいことは何ですか?

生鮮食品を選ぶこと、惣菜はお皿へ移すこと、魚を偏らせないこと。この3つから始めるのがおすすめです。

Q3. 加工肉は食べないほうがいいですか?

避ける必要はありません。毎日ではなく、「ときどき楽しむ」程度にすることが現実的です。

Q4. 魚は食べないほうが安全ですか?

いいえ。魚は重要なたんぱく源です。種類や産地を偏らせず、バランス良く食べることが勧められます。

Q5. 紙のストローなら安心ですか?

必ずしもそうとは限りません。PFASが使われていた製品も報告されています。PFASフリー表示のある製品や、繰り返し使える製品も選択肢です。

Q6. オーガニック食品ならPFASはありませんか?

必ずしもそうではありません。PFASは環境中にも存在するため、オーガニック食品でも含まれる可能性があります。

Q7. 子どもは特別な対策が必要ですか?

基本は大人と同じです。偏りのない食生活を心がけ、過度な制限は避けましょう。

Q8. 水道水は飲んでも大丈夫ですか?

日本では基準値に基づく管理が行われています。心配な場合は自治体の水質検査結果を確認し、必要に応じて浄水器を利用する方法もあります。

Q9. PFASを除去できる浄水器はありますか?

製品によって異なります。PFOS・PFOAの除去性能が試験で確認されている製品を選ぶと安心です。

Q10. 体に入ったPFASはすぐに減らせますか?

現時点で確立された方法はありません。まずは日々の生活で取り込む量を減らすことが基本です。

参考文献

・農林水産省「食品中のPFASに関する情報」
・内閣府 食品安全委員会 「有機フッ素化合物(PFAS)評価書」「PFAS評価書Q&A」
・環境省 「PFOS、PFOAに関するQ&A」
・厚生労働省 水質基準に関する資料
・南カリフォルニア大学ケック医学部  食事とPFAS曝露
・ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院
・欧州食品安全機関(EFSA)
• 米国環境保護庁

この記事は役に立ちましたか?
もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。

PFAS専門家

関連記事

お問い合わせ

状況に応じた最適な対応をご提案します

自治体・企業・個人それぞれに最適な対応方法があります。
目次