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PFASフリー洗浄剤とは|製造現場での選び方と切り替え方

2026.03.16

製造工程でPFAS系洗浄剤を使用している企業にとって、「PFASフリー洗浄剤への切り替え」は今後避けられない課題となっています。
EUのPFAS包括規制では製造工程での使用も規制対象となる可能性があり、EU輸出企業を中心に代替品への移行が急務となっています。
この記事では、PFASフリー洗浄剤とは何か、どう選べばいいか、どう切り替えればいいかをわかりやすく解説します。

PFASフリー洗浄剤とは

PFASフリー洗浄剤とは、PFAS(有機フッ素化合物)を含まない洗浄剤のことです。
製造工程では様々な汚れ・油脂・フラックスなどを除去するために洗浄剤が使われますが、従来はPFAS系の界面活性剤やフッ素系溶剤が広く使われてきました。
PFASフリー洗浄剤はこれらの代替品として、PFAS規制に対応しながら必要な洗浄性能を維持できる製品です。

なぜ今PFASフリー洗浄剤が必要なのか

EU規制の影響

EUで検討されているPFAS包括規制では、最終製品にPFASが含まれていなくても、製造工程でPFASを使用しているだけで規制対象となる可能性があります。
これは製造業にとって大きな転換点を意味します。
EU輸出企業はもちろん、EU企業に部品・素材を供給するサプライヤーも対応が求められています。

取引先からの要求

すでにEU企業からサプライヤーへのPFAS情報開示要求が始まっており、
「製造工程でPFASを使っていますか?」
という質問に「Yes」と答えることで取引に影響が出るケースが出始めています。

早期対応のメリット

PFASフリー洗浄剤への早期切り替えは以下のメリットがあります。

– EU規制への先手対応
– 取引先への証明書提供が可能
– 廃液処理コストの削減 (フッ素系廃液は処理コストが高い)
– 環境負荷の低減
– 従業員の安全衛生の向上

PFASフリー洗浄剤の種類

 ① 水系洗浄剤

水をベースにした洗浄剤で、界面活性剤・アルカリ剤・キレート剤などを組み合わせて洗浄力を確保します。

特徴

– 環境負荷が低い
– 廃液処理がしやすい
– 多くの用途でPFAS系の代替が可能
– 引火性がなく安全

適した用途

金属部品の油脂汚れ除去、電子部品のフラックス除去、精密機械の洗浄など

② 準水系洗浄剤

水系溶剤と有機溶剤を組み合わせた洗浄剤で、水系では落ちにくい頑固な汚れにも対応できます。

特徴

– 水系より強い洗浄力
– 油脂・ワックス・ フラックスなど幅広い汚れに対応
– PFASフリーで提供されている製品あり

③ 炭化水素系洗浄剤

石油系溶剤をベースにした洗浄剤で、油脂汚れの洗浄に効果的です。

特徴

– 油脂系汚れへの高い洗浄力
– 金属部品の洗浄に適している
– PFASを含まない製品が多い

④ アルコール系洗浄剤

エタノール等のアルコールをベースにした洗浄剤です。

特徴

– 速乾性が高い
– 電子部品・精密機器に適している
– PFASフリーで環境負荷が低い

PFASフリー洗浄剤の選び方

① 汚れの種類で選ぶ

| 汚れの種類 | 推奨タイプ |
|—|—|
| 油脂・切削油 | 水系アルカリ・炭化水素系 |
| フラックス(基板) | 水系・アルコール系 |
| ワックス・グリース | 準水系・炭化水素系 |
| 金属加工油 | 水系アルカリ・準水系 |
| 精密部品 | 水系・アルコール系 |

② 素材への影響を確認する

洗浄する素材によっては洗浄剤が悪影響を与える場合があります。
アルミ・銅・樹脂など材質ごとの適合性を必ず確認してください。

③ 洗浄方法で選ぶ

– 超音波洗浄機:水系・準水系が適している
– スプレー洗浄:水系・アルコール系
– 浸漬洗浄:水系・炭化水素系
– 手洗い:アルコール系・水系

④ 廃液処理のしやすさ

フッ素系洗浄剤の廃液は処理コストが高く専門業者への依頼が必要でした。
水系洗浄剤への切り替えにより廃液処理が簡易になる場合があります。

⑤ コスト

洗浄剤本体のコストだけでなく廃液処理費用・設備改造費用・洗浄サイクル・作業時間なども含めたトータルコストで比較することが重要です。

切り替えの進め方

STEP 1 現在の洗浄工程を整理する

– 使用中の洗浄剤リストアップ
– 各工程の汚れの種類・素材の確認
– 現在の洗浄性能の基準を明確にする

STEP 2 候補品の選定

メーカーや販売店に用途・汚れ・素材などの条件を伝えて候補品を提案してもらいます。
当社でもPFASフリー洗浄剤のご提案・サンプル提供を行っています。
お気軽にお問い合わせください。

STEP 3 試験・評価

いきなり全ラインを切り替えずまず一部のラインで試験的に使用します。

確認するポイント

– 洗浄性能(現行品と同等以上か)
– 素材への影響(変色・腐食等)
– 作業性(使いやすさ・乾燥時間等)
– 廃液の状態

STEP 4 本格導入・記録

試験で問題がなければ本格導入します。

PFASフリーの記録を残す

切り替え後は使用洗浄剤のSDSと製造工程記録を整備して「PFASフリー製造工程」であることを証明できる状態にしておきます。
EU取引先からPFAS情報の提供を求められた際に速やかに対応できます。

よくある質問

Q. 洗浄力が落ちないか心配

A. 適切な代替品を選べば同等以上の洗浄性能を維持できるケースも多いです。
まず試験してみることが大切です。

Q. 設備の改造が必要?

A. 多くの場合、設備の大幅な改造なしに切り替えできます。
ただし洗浄条件(温度・濃度・時間)の調整が必要な場合があります。

Q. コストはどのくらい変わる?

A. 洗浄剤単価は製品によって異なりますが、廃液処理コストの削減でトータルコストが下がるケースもあります。

Q. PFASフリーの証明書はもらえる?

A. SDSに成分情報が記載されており、PFAS不含の確認ができます。
必要に応じてメーカーに証明書の発行を依頼することもできます。

まとめ

PFASフリー洗浄剤への切り替えは、EU規制対応・取引先への情報開示・廃液処理コスト削減の3つの観点から今後の製造業に不可欠な取り組みです。
水系・準水系・炭化水素系など用途に合わせた選択肢があり、まずサンプルで試験することから始めることをお勧めします。

当社ではPFASフリー洗浄剤のご提案・サンプル提供・切り替えサポートを行っています。
「まずどんな製品があるか知りたい」
という段階からお気軽にお問い合わせください。

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