PFOS・PFOAはこれから増えるの?環境中の現状と今後をわかりやすく解説
「PFAS汚染はどんどん広がっているの?」「もっと増えていくの?」と不安を感じている方も多いと思います。
結論からお伝えすると、全体的な傾向としてPFOS・PFOAの環境中濃度は減少傾向にあります。ただし、場所によっては今も高濃度で検出される地域があります。現状と今後について、わかりやすく整理します。
製造は止まっている
まず大前提として、PFOS・PFOAの製造・輸入はすでに禁止されています。
- PFOS:2010年から製造・輸入等が原則禁止
- PFOA:2021年から製造・輸入等が原則禁止
新しいPFOS・PFOAが環境中に追加され続けることは、制度上は止まっています。
ただし例外があります。消防署・空港・石油コンビナートなどには、規制前に製造された古い泡消火薬剤がまだ一部残っています。これらが漏れた場合には新たな汚染が起きる可能性があるため、国は厳格な保管と段階的な交換を進めています。
環境省の調査が示すこと
環境省は2009年から、全国の同じ測定地点で水質・土の中(底質)・生物・大気中のPFOS・PFOA濃度を毎年測定し続けています。
その結果、水質・底質・大気については、濃度が年々統計的に有意に減少していることが確認されています。
生物については、魚類では検出率が減少傾向ですが、貝類では減少傾向が統計的に確認されていない部分もあります。
では、なぜ今でも汚染地域があるの?
全体的な傾向は減少でも、特定の場所では今も高濃度が検出されることがあります。理由は次の通りです。
① 過去の汚染が地下に残り続けている
かつて大量に使われた場所(軍の基地・工場周辺など)では、地下水や土壌に染み込んだPFOS・PFOAが長期間残留します。難分解性のため自然には消えません。
② 古い泡消火薬剤の漏出リスク
まだ一部残存している規制前の泡消火薬剤が漏れると、局所的な汚染が発生します。
③ 測定地点の拡大により新たな場所で検出
2020年以降、全国のモニタリング地点が大幅に増えました(2019年度171地点→2022年度1,258地点)。これにより、それまで調べていなかった場所でも検出されるケースが増え、「汚染が増えた」と誤解されやすい状況になっています。実際には「測定が増えて見えるようになった」という側面が大きいのです。
全国2,735地点の調査結果
2019〜2022年度に水質を測定した延べ2,735地点のうち、暫定目標値(50ng/L)を超えた地点数は延べ250地点でした。
主に都市部やその近郊で超過が確認される傾向があります。これは過去に工場・基地・空港などが多く立地していた地域と重なります。
超過が確認された地点では、都道府県等が井戸の所有者などに飲用を控えるよう指導・助言を行っています。
今後の見通し
PFOS・PFOAの製造が止まっている以上、長期的には環境中の濃度は下がっていく方向にあります。ただしそれには時間がかかります。
一方で、各国の規制値が厳しくなる方向で議論が進んでいます(米国は2024年に4ng/Lという非常に厳しい基準を設定)。日本でも専門家会議で暫定目標値の見直し検討が続いています。
環境中の濃度が下がっても、基準値が厳しくなれば「超過」する地点は増えることもあります。数字の変化だけでなく、「基準値が変わったのか、実際の濃度が変わったのか」を区別して情報を読むことが大切です。
まとめ
- 製造・輸入は禁止されており、新たな排出は制度的に止まっている
- 環境省の長期モニタリングでは、全体的に濃度は減少傾向
- ただし過去の汚染が残る地域では今も高濃度の場所がある
- 測定地点が増えたことで新たな検出地点が増えているが、これは「見えるようになった」側面が大きい
- 長期的には減少傾向だが、基準値見直しの動きにも注目が必要









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