PFOS・PFOAは「永遠の化学物質」?一度体に入ったら一生残るの?
「永遠の化学物質(Forever Chemicals)」という言葉を聞いて、「体に入ったら一生そこに居続けるの?」と不安になった方も多いのではないでしょうか。
結論:一生残るわけではありません。徐々に体の外に排泄されていきます。
ただし、その「徐々に」がとても遅いことが問題です。詳しく説明します。
「永遠の化学物質」の意味
「永遠の化学物質」とは、PFAS全般に対して使われる呼び名です。これは「人体の中に永遠に残る」という意味ではなく、「自然環境の中で分解されずに永遠に残り続ける」という意味です。
つまり「永遠」は、人体ではなく環境(土・水・大気)の中での話です。
体に入ったPFOS・PFOAはどうなる?
PFOS・PFOAは、飲み水や食べ物を通じて体内に取り込まれます。消化管から血液に吸収され、主に肝臓に蓄積することがわかっています。
ただし、人間の体は少しずつPFOS・PFOAを排泄する機能を持っています。
ヨーロッパ食品安全機関(EFSA)のデータによると、新たな摂取がなくなった場合に体内濃度が半分になるまでの時間(半減期)は:
| 物質 | 平均 | 半減期範囲 |
| PFOS | 約5.7年 | 1.9年〜18年 |
| PFOA | 約3.2年 | 1.2年〜8.5年 |
つまり、摂取を止めれば、PFOSなら約6年で体内の濃度が半分になります。さらに6年後には4分の1になります。決して「永遠に残る」わけではありません。
ただし、半減期が数年単位というのは他の多くの化学物質と比べてとても長く、これが問題の一つです。
実際に日本人のPFOS・PFOA血中濃度は下がっている
環境省は、日本人のPFOS・PFOA血中濃度を長期にわたって調査しています。
| 調査時期 | PFOS平均値 | PFOA平均値 |
| 2011〜2016年度 | 7.5 ng/mL | 4.1 ng/mL |
| 2020年度 | 2.5 ng/mL | 1.5 ng/mL |
| 2023年度 | 3.9 ng/m | L2.1 ng/mL |
2011〜2016年と比べると2020年以降は大幅に下がっています。製造・輸入禁止の効果が実際のデータに表れています。
※2018年度以降はパイロット調査のため、年度間の単純比較には注意が必要です。
それでも血液検査をすると検出されるのはなぜ?
「血中濃度が下がっている」と言っても、環境省の調査では血液検査を受けたほぼすべての日本人からPFOS・PFOAが検出されています(2023年度:PFOS 0.39〜19 ng/mL)。
これはなぜでしょうか?
理由は、PFOS・PFOAはすでに環境全体に広がっており、私たちが日常的に微量ずつ摂取し続けているからです。製造は禁止されていますが、すでに環境中に残留しているものが食物・水・大気を通じて体内に入り続けます。
排泄が続く一方で摂取も続くため、体内にある程度の量が残り続けます。ゼロにはなりませんが、摂取量が減れば体内濃度も下がっていきます。
「体に入ったら一生残る」は誤解
整理すると:
- PFOS・PFOAは体内から排泄される(一生は残らない)
- ただし半減期が5〜6年と長い
- 摂取を減らせば体内濃度は下がる
- ただし環境中に残っているため完全にゼロにはなりにくい
- 日本人全体の血中濃度は長期的に下がっている
「永遠の化学物質」という言葉は「環境中で分解されない」という意味であり、「体内に永遠に残る」という意味ではありません。ただし、体内でも排泄に時間がかかることは事実です。









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