超純水技術とイオン交換樹脂でPFAS除去を支える水処理企業|オルガノ株式会社
オルガノ株式会社|イオン交換樹脂でPFASを「取り除く」水処理のスペシャリスト
PFASへの向き合い方は、大きく「測る」「取り除く」「使わない(置き換える)」の層に分かれます。
前回は、「取り除く」技術の一つである活性炭を取り上げました。
今回は、もう一つの主要な除去技術であるイオン交換樹脂に進みます。
この分野で長い歴史と高い技術力を持つのが、今回ご紹介するオルガノ株式会社(ORGANO)です。
半導体向け超純水分野で高い実績を持つ、水処理のスペシャリストです。
会社概要
| 項目 | 内容 |
| 社名 | オルガノ株式会社(ORGANO CORPORATION) |
| 設立 | 1946年(昭和21年)創立 |
| 本社所在地 | 東京都江東区新砂1-2-8 |
| 上場 | 東京証券取引所プライム市場(証券コード:6368) |
| 主な事業 | 水処理エンジニアリング事業(超純水・純水製造装置、排水処理、浄水処理など)、機能商品事業(イオン交換樹脂、水処理薬品など) |
| PFAS関連の位置づけ | イオン交換樹脂「アンバーライト™」などを通じ、選択的な吸着によるPFAS除去に対応。超純水・電子分野で培った水処理技術を持つ。 |
オルガノは1946年の創立以来、一貫して水処理に取り組んできた総合水処理エンジニアリング企業です。
1951年には日本で最初の大型イオン交換水処理装置を納入し、 翌1952年には、米ローム・アンド・ハース社が開発したイオン交換樹脂「アンバーライト™」の日本国内独占販売権を取得しました。
以来、装置と素材の両面から、水処理の現場を支えてきた歴史があります。
なお、オルガノは東ソー株式会社の連結子会社ですが、 上場会社として、事業活動や経営判断において一定の独立性を確保しているとしています。
なぜ「イオン交換樹脂」でPFASが取り除けるのか
イオン交換樹脂は、小さな樹脂の粒の表面で、 水に含まれる特定のイオンや物質を「つかまえて」入れ替える素材です。
PFASは分子の構造上、電気的な性質を持つものが多く、 この性質を利用して、樹脂に吸着させて取り除くことができます。
とくに、特定の物質に対して選びとる力(選択性)の高い樹脂を使うことで、 水中のPFASを効率よくとらえることが可能になります。
活性炭が比較的とらえにくいとされる「短鎖PFAS」に対しても、 イオン交換樹脂は有力な選択肢の一つと考えられていますと考えられています。
オルガノは、こうしたイオン交換技術によるPFAS除去について、 技術的な検討や発表も行っています。
オルガノの強み:素材から装置・運用まで
オルガノの特徴は、イオン交換樹脂という「素材」だけでなく、 それを使った水処理装置の設計から運用までを一貫して手がけられる点にあります。

「アンバーライト™」は、業界で最も歴史のあるイオン交換樹脂の一つで、 オルガノはその日本国内における独占販売権を持っています。
さらに同社は、半導体や液晶の製造に欠かせない超純水の製造技術で、 世界トップレベルの実績を積み重ねてきました。
きわめて高い純度が求められる電子・半導体分野で磨かれた水処理技術は、 PFASのような微量の不純物を扱ううえでも、大きな土台になります。
メタウォーターのような上下水道インフラ中心の企業とは異なり、 電子・産業系の水処理に強みを持つという点で、別のニッチを担う存在です。
イオン交換樹脂という技術の特性と課題
一方で、イオン交換樹脂による除去にも、知っておきたい特性があります。
イオン交換樹脂は、広範囲のPFASに対応でき、吸着能力も高いとされる一方で、 一般に活性炭よりもコストが高くなる傾向があります。
また、吸着能力を回復させるための「再生」処理や、 再生にともなって出る廃液、使用済み樹脂の処分も考慮する必要があります。

つまり、活性炭と同じく、ここでも「使ったあとをどう適切に処理するか」という視点が欠かせません。
どの技術が適しているかは、対象となる水の性質や、含まれるPFASの種類・濃度によって変わります。
活性炭・イオン交換樹脂・分離膜は、優劣ではなく、状況に応じて使い分け、 ときに組み合わせるものだと考えるのが現実的です。
PFAS対応の“地図”のなかでの位置づけ
PFASを「取り除く」技術には、活性炭(吸着)・イオン交換樹脂(イオン交換)・分離膜(ろ過)という三本柱があります。
オルガノが担うのは、このうちイオン交換樹脂の柱です。
とりわけ、半導体・電子分野の超純水という高純度領域で培った技術が、その背景にあります。
製造業や自治体、水道事業者にとって、 PFASの検出が確認された次の段階で必要になるのが、こうした除去技術の選定です。
ただし、本記事は各社の立ち位置を示す“地図”であって、 個別のケースで最適な技術を判断するものではありません。
自社の水や設備にどの方法が合うのかは、 状況を整理したうえで、専門家とともに見極めていくことをおすすめします。
PFAS Solutions+では、「測る」「取り除く」「使わない」の各層を担う企業を、 できるだけ中立的な視点で整理してお伝えしていきます。
まとめ
PFASを水から「取り除く」もう一つの主要技術が、イオン交換樹脂による選択的な吸着です。
活性炭が比較的とらえにくい短鎖PFASに対しても、イオン交換樹脂は有効な選択肢になりうるとされています。
アンバーライト™は業界で最も歴史のあるイオン交換樹脂ブランドであり、オルガノは1952年より日本国内における独占販売権を有しています。超純水など電子・産業分野の水処理で世界トップレベルの技術を持っています。
一方で、コストや再生・使用済み樹脂の処理といった課題もあり、活性炭・分離膜との使い分けが重要です。
参考・出典
オルガノ株式会社「イオン交換樹脂 アンバーライト™サイト」
オルガノ株式会社「オルガノについて」「会社概要」
「イオン交換技術によるPFAS除去の検討」(オルガノ)ほか技術資料
※本記事は、オルガノ株式会社の公開情報をもとに、PFAS Solutions+が編集・要約したものです。最新かつ正確な情報は、同社公式サイトをご確認ください。





























