【2026年6月続報】白山市・能美市のPFAS問題 周辺井戸調査が一区切り、両市が国に支援要望
石川県の白山市・能美市で、化学メーカーDICの北陸工場(白山市湊町)周辺の井戸からPFAS(有機フッ素化合物)が相次いで検出されている問題で、2026年6月、周辺井戸の水質調査が一つの区切りを迎え、両市の市長が国に支援を要望する動きがありました。調査対象は、白山市湊町の工場周辺から隣接する能美市域にも広がっています。本記事では、この6月の続報を、石川県の公表資料や報道といった一次情報をもとに整理します。
なお、問題の背景や検出値の意味については、基礎解説記事能美市PFAS汚染|13.4倍検出の意味・原因・影響範囲を解説)で詳しく扱っていますので、あわせてご覧ください。
これまでの経緯
この問題は、2026年2月、白山市湊町にあるDIC北陸工場の敷地内地下水から、国の指針値を大きく超えるPFAS(有機フッ素化合物)のうち、PFOSおよびPFOAが検出されたことに端を発します。DICから石川県・白山市への報告を受け、県は工場周辺、超過地点のおおむね500メートル圏を対象に、井戸の水質調査を段階的に進めてきました。調査の対象は隣接する能美市にも広がっています。
石川県が2026年春に公表した資料では、累計で調査した井戸のうち相当数で、PFOSとPFOAの合算値が国の指針値(1リットルあたり50ナノグラム)を超過し、能美市では最大で670ナノグラム(指針値の約13.4倍)が確認されたと整理されています。
周辺井戸の水質調査が一区切り
その後も県は周辺井戸の調査を続け、結果を複数回にわたって公表してきました。2026年6月中旬、こうした周辺井戸を対象とした一連の水質調査が一区切りを迎え、新たに指針値を超える井戸が確認されたことが公表されています。
調査は段階的に進められてきたため、公表のたびに超過井戸の累計は更新されてきました。2026年6月時点では、白山市・能美市をあわせて多数の井戸で指針値の超過が確認されており、そのなかには飲用に利用されていた井戸も含まれています。県は、超過が確認された井戸について、飲用の取りやめなどの対応を呼びかけています。
白山市・能美市の両市長が国に支援を要望
こうした状況を受け、2026年6月10日、白山市の田村市長と能美市の井出市長が環境省と農林水産省を訪れ、国に対して支援を要望しました。
求められた主な支援
報道によると、両市が求めた内容には、次のような点が含まれます。
- 水質検査などにかかる費用や、自治体に生じている人的・財政的負担への支援
- 発生源とみられる事業所に対する国の指導・監督
- 風評被害の払拭に向けた対応
能美市側からは、対応にあたる職員の負担が増えていることや、今後検査費用などが自治体にかかってくる場合の国の支援を求める声が示されました。
「基準のない領域」という残された課題
この要望のなかで、特に重要な論点として浮かび上がっているのが、「基準のない領域」の存在です。
PFASについては、飲用水の安全性を判断するための指針値は定められています。しかし、地下水を使って育てられた農作物中のPFASや、事業所排水に関する全国一律の基準については、現時点で整備途上の部分も残っています。そのため、自治体としても、住民や農業者にどう説明し、どう対応すればよいかの判断が難しいのが実情です。両市が国に明確な指針を求めている背景には、こうした制度上の空白があります。
冷静に受け止めるために
PFASの検出が報じられると、不安が広がりやすいテーマです。しかし、今回の問題は「白山市・能美市の全域が危険」という話ではなく、特定の工場周辺の一部井戸を中心に、注意が必要な状況が確認されているというものです。
また、現時点で日本国内では、PFOS・PFOAの摂取が主たる原因と特定された健康被害事例は確認されていないとされています(石川県・両市の公表資料による)。過度に不安をあおる情報や、不正確な情報に流されると、地域全体が風評被害を受ける可能性もあります。だからこそ、いま大切なのは、不安をあおることでも軽視することでもなく、県の公表資料という一次情報を確認しながら、冷静に状況を捉えることだと考えられます。
まとめ
2026年6月、白山市・能美市のPFAS問題は、周辺井戸の水質調査が一区切りを迎えるとともに、両市が国に支援を要望するという新たな段階に入りました。飲用水以外(農作物・排水)の基準が明確でないという制度上の課題は、今後の国の対応が注目されるポイントです。
自分の地域や井戸の状況が気になる場合や、事業所として排水・農作物への影響を確認したい場合は、県の公表資料を確認するとともに、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。
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出典
- 石川県「DIC北陸工場周辺の井戸水質調査結果」公表資料(生活環境部環境政策課ほか)
- 石川テレビ「指針値超える『PFAS』めぐる問題 白山市と能美市のトップが国に支援要望」(2026年6月10日)
- 北國新聞・北陸中日新聞ほか各社報道(県の水質調査結果公表に関する記事)
- 環境省「PFOS・PFOAに関する水道水質基準・水環境中の指針値」(2026年4月1日施行関連)
※超過井戸の累計件数や最新の調査公表内容は更新され続けています。公開前に、石川県の最新公表資料で件数・数値を必ず再確認してください。




























-水道法PFAS義務化と神戸・明石川の現状【2026年最新】-150x150.png)

